岐阜県唯一の百貨店「岐阜高島屋」が2024年7月31日に閉店しました。
昭和、平成、令和と47年続いた歴史が終わります。
閉店理由は、建物の老朽化や売り上げ減少により経営が難しくなったことにあるようです。
今回は、岐阜高島屋閉店後の跡地には何ができるのか?別館には無印良品が残るそうですが、今後も気になります。
また、閉店理由にも少し触れてみました。
【考察】岐阜高島屋の跡地は何になる?
まず、現段階(2024年8月2日)では跡地に関して決まっていない状態です。
いつ決まるのかも気になるところです。
ということで、予想&考察をしてみました。
- マンションと商業施設が濃厚
- 決定するのに1年以上はかかる
例が多いこともあり、上層階にマンションで下層階に商業施設というパターンかなと予想します。
全国では、建物そのままでまだ決まっていない百貨店や、もしくは決まるまでに10年かかったというところも多数あります。
なぜそうなるのか。
デパートの跡地利用について「長いものだと10年、15年放置されているものもある。再開発しても採算があわない。だから、民間の資本が入らない、地元の地権者の意見が合わない」と指摘する。
引用元:FNNプライムオンライン
今年の1月に閉店した島根県松江市の一畑百貨店ですが、百貨店なし県となっています。
地域ではシンボル的存在だったというところが似ています。
現状、まだどうなるのか決定はしていません。
まさしく、上記のような理由が大きいのではないでしょうか。
一畑百貨店の場合、別館はマンション建設が進んでいるようなので、やはり「マンション」というのは多そうですね。
2020年に閉店した新潟三越の跡地は、東京の大手不動産会社と地元の総合建設業が組合を立ち上げプロジェクトを進めています。
こちらは、低層階から商業施設、オフィス、高齢者向け住宅、マンションの計画で2028年完成予定とのこと。
他にも地方都市での百貨店跡地活用は商業施設とマンションというのが多いです。
商業施設のみ、店舗だけ単体、といったことはもう難しいのかもしれません。
商業施設にプラスアルファとして、住居やコミュニティ関連があることが集客の大きなポイントなのかもしれません。
新たな発想が求められる今
さて、商業施設が誘致しやすいかもしれませんが、本当にそうなのでしょうか。
新たな発想で百貨店跡地を再開発した例があります。
宮崎県都城市にあった都城大丸の跡地のケースです。
老朽化が進み人が少なくなった市立図書館と、その周りにある子育て支援施設を大丸跡地に集約
参考:Think都城
当初の計画では、おなじみの商業施設という方向で再開発計画があったようですが、そのときに新市長となった池田宜永(たかひさ)氏が、「商業施設はつくらない」という方向で話を進めました。
イオンなどの大型商業施設に対抗して商業施設をたてるというのも違う、と冷静に考えていたようです。
ただ、商業施設以外の何か、と言ってもどうしたものかと考えていたようです。
そこに、以前から暗くさびれてしまっている図書館をどうするかという課題も出ていたため、ひらめいたそうですよ。
まちなか図書館ということでそこを軸に、子育て支援施設に市民憩いの場などを設け、それが今市民に定着しています。
珍しい成功例かもしれないけれど、地方ほどこういった発想の転換が求められるのかもしれません。
岐阜高島屋の別館はどうなる?
岐阜高島屋には2つの別館がありますが、いずれも建物はそのままで営業店舗も残ります。
すぐ北側にある別館には無印良品が営業していましたが、店名を「無印良品柳ヶ瀬」とし9月1日からリニューアルオープンをします。
少し南側に離れたところにあるもうひとつの別館にある、パパス・マドモアゼルノンノンも「岐阜店」とし引き続き営業します。
パパスの隣にある喫茶店「猪口珈琲スタンド」も継続となっています。
こちらは別館といっても、同じ時期建てられたものではないです。
無印良品が入居している建物は、2006年に映画館の跡地として建てられたものです。
まだ営業は充分可能かと思われます。
岐阜高島屋の閉店理由は?
岐阜百貨店は閉店となったわけですが、閉店の理由を考察もふくめまとめてみました。
- 売り上げ低迷
- 建物の老朽化
- ビルオーナーとの交渉決裂
- 周辺競合に勝てそうになかった
岐阜高島屋としては「建物老朽化、業績悪化」と発表しています。
その2つが全てなのでしょう。
建物の老朽化を解消すれば営業できる!という状態ではなかったのかもしれません。
岐阜高島屋の閉店決定の主な要因として親会社の高島屋が挙げたのは、老朽化したビルの設備更新に必要な32億円の負担を巡る、ビルのオーナー側との交渉の決裂だった。
32億円の負担をどうするかということで、ビルオーナーと交渉をしていた背景があるようですね。
業績が悪化している現状があり、そこに32億円かけて設備更新して回復の見込みがあるのかなど、難しい問題だったのもあるのかもしれません。
業績悪化はなぜ?
そもそもなぜ業績悪化へとたどっていったのか。
これは周辺の競合に勝てず集客力が下がったからではないでしょうか。
「建物や設備」のみ更新しても、激化する競争に勝たなければ継続は難しいと思われます。
- 創業当時より車所有率やアクセスの利便性が高まっている
- 名古屋高島屋へもいける
- イオンモール各務原がある
- ネット通販
47年前に比べ、車の所有率、そして道路事情など格段によくなっている昨今です。
1時間以内で考えた場合、行ける施設はかなりあるでしょう。
「デパートで買いたい」といった場合でも、名古屋高島屋まで足を延ばすのはそう難しくありません。
名古屋高島屋のほうが都心部にあることもあり、品ぞろえなどの点で上回ります。
そしてイオンモールの存在。
岐阜高島屋でなくても「ある程度の品質のものや、数が多くある」というのはやはり強いでしょう。
イオンモール各務原店が近くにありますが、いつも混んでいることで有名です。
そして時代もあり、やはりネット通販が強いということも。
百貨店のもので品物をみて買いたい!という場合は名古屋高島屋があるので、岐阜高島屋はその穴を埋めれなかったのかもしれません。
柳ヶ瀬商店街に移転する店舗もあり
岐阜高島屋での営業は終わるけど、柳ヶ瀬商店街の空き店舗に移り営業を再開するお店もあります。
常連客の要望もあり、当初は岐阜高島屋とともに終了の予定が、閉店から約1週間後に営業再開の運びとなるようです。
2000万円ほどかかった移転費用の一部はクラウドファンディングで募り、31日までに200万円以上が集まったということです。
引用元:NHK(2024年7月31日)
移転でかかる費用もこのように、新しい資金調達の仕組みを活用されています。
柳ヶ瀬商店街に残るという決断をされたオーナーさんは「恩返しをしたい。最後は柳ヶ瀬で終わりたい」とのこと。
岐阜高島屋は閉店となりましたが、このように愛着ある場所で新しいスタートをきる店舗もあります。
まとめ
今回は、岐阜高島屋閉店後の跡地には何ができるのか?別館には無印良品が残るそうですがどうなっていくのかを調査しました。
地域の人たちにとって良い展開となれば素敵ですね。
長きにわたり地域の人々ともにあった岐阜高島屋。
ひとつの百貨店が幕をおろしたことは残念ですが、そこから再スタートされる店舗もあります。
岐阜高島屋があった柳ヶ瀬商店街はまだこれからも続きます。
今後の発展を心から応援しています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。